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憤怒の狂い咲き
「貴様戯言をッ…!」
口ではそう言っても、彼の有様を見たらそれ以上の言葉が浮かばなかった。
彼は用があると言ったその後、こいつと接触していたのか…?何のために…
「岳さんはお前を憎んでいる、斬ったところで何も可笑しくはないだろう、私でも斬りかかっているに違いない。危険性と結びつける理由には至らないな」
「ブハッ、それはどうかな…?」
金閣が何かを知るような笑みを浮かべる。
その笑みが気に触り怒りがふつふつと湧いてくる。
「早く吐け、己の灯火が尽きる前に。それか私にその灯火を消されたいか」
刀を金閣の首筋に突きつけながら脅すようにいう。
しかし彼は全く動揺せずカラカラと笑いながら話を逸らす。
「そんなことより…ゲッボ…懐かしいぜ…この場所…」
金閣が弱々しく辺りを見渡しながら言う。
そして私を下から鋭く見上げて笑う。
「ここはなぁ…?ゲッボォ…お前のぉ〜…好きな男とナァ…ゲッホ!…その父親との最期の…思い出の場所…ゲッホ!なんだぜぇ?」
「…ッ?!?」
今…何と言った…?
この男は今確かに私の想い人とその父の最期の場所だと言ったのか…?
私の想い…人…。
すなわち…宗達…。
どうしてこの男がそんなことを知っている…?彼の最期の場所を…?
やっぱり…やっぱりこの男は…ッ!!!こいつは…ッ!!!
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