13人が本棚に入れています
本棚に追加
「なら痛めつけるだけ痛めつけてやろうか?死ぬか死なないかの狭間で生きるか?」
「それもいいかもしれ………ぐはっ…!!!」
俺が全てを言い終わる前に、恭華は目にも留まらぬ速さで俺に接近し鳩尾に重い一撃を食らわせた。
恭華に痛めつけられるのも悪くないかもしれねぇな、なんて変な快感に目覚めかける俺はもう誰にも止められまい。
「おいおい、武士ってのは戦闘が終われば無駄な手だしはしねぇだろ?武士の誇りとやらが泣きますぜ?」
「うるさい、黙れ」
相変わらずの冷たさで切り返してくる恭華の言葉に、今日もキレキレですな!なんて内心思っているとどこからか声が聞こえた。
「おっ、お前が噂の女武士ってやつかぁ、結構美人じゃねぇか」
突如として見知らぬ声が俺たちの耳に届く。
「…!!何者だ…!!」
「姿を見せろ…!!」
切羽詰まる俺たちに軽々しい口調で答える。
「今は無理だなぁ」
それは男の声だった。男からは俺達が見えているらしいが俺はそいつがどこにいるのか全くわからなかった。
「曲者ならば斬り捨てる…!!」
恭華が警戒心をあらわにすると、その男は軽い調子で言う。
最初のコメントを投稿しよう!