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「それは己の自己満足にすぎませぬ…!!私は武士に恥じた行動を取る父上の子であることを恥だと心得た……!!恭華は…恭華も我が子のように思っていなかったのですか…!?父上…ッ!!!」
俺の怒りの訳を知る父上は俺の言葉に何も答えれずにいた。あんなに尊敬していたはずの父上が今はまるで武士としてではなく人間として弱者に見える。
こんな事なら俺は意地でも恭華に刀など触れさせなかった。初陣だって行かせなかったし初陣どうこう以前に武士になると言った時必ず止めていた。俺だけ助かってどうする…?武術に全くの才能を持たない俺が助かって何になるというんだ。結局自分の気持ちも伝えれなかった。それでも男か…?何が武士だ…?これではただの変態だろ…!第一、恭華を守る…?いつからそんなことが言える立場になったんだ。出来もしないのに…もう何を悔いても遅いのに…!
後悔しか残らぬまま俺と父上は見知らぬ城へ逃げ込んだ。とても人が住んでいるとは思えない廃れた城だった。馬で逃げていた俺達はこのままでは追いつかれると思い、とりあえず隙を見て馬から降り城の中へ侵入。
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