~序幕:思い出と悲劇~

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恭華と俺は武士の家系に生まれた。 俺はもちろん武士になるのが定めだが、恭華は女だ。本来なら御亭主のために生涯を捧げるのが決まりなのだが「宗達が武士になるなら私もなるわ!」というこの一言で全てを覆した。 正直嬉しかった。嬉しくないわけないだろう。俺を意識して同じ道を進んでくれた。 そう思ってもいいだろう?少しでも俺が彼女に影響を与えたらしい。生きていてよかった。うん。いや本当に。 だがしかし…俺の願望が通るなら「宗達が立派な武士になるなら私が宗達のお嫁になって宗達に私の一生を捧げる!」なんて言って欲しかった…!!!心底思う。 現実でもしそんなことを言われたものなら真っ先に己の頭をどこかにぶつけ現実であることを確認しているだろう。 「ほぉ、その殺気怖いねぇ、本当に殺されちまうぜ」 「お前など殺す価値もない」 「うわ、ひっでぇ」 相変わらずの冷たさは変わらないがこの冷たさ含め俺は好きなんだがね。 まぁ、恭華が武士になりたい!と言い出してそれがすんなり通ったのには彼女の父の偉大なる力にあった。
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