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恭華の父は腕の立つ武将で他国でも名を広める有名な強き武将だった。己の力を弱者に見せつけ支配するのではなく、強者だという権威をもってしても第一に弱者を優先的に保護する活躍で俺たちの国の民から多大なる信頼があったのだ。
この国で本当の意味で一番強い武士だ。それともう一つ。恭華の家は子宝に恵まれず子供は恭華だけだった。両親は大喜びで愛情を注いで育てていたが、恭華の父の心に(立派な武士に育て上げたい)という感情が芽生えた最中、恭華がそんな事を言い出したので、父は大喜びの大賛成だったが、これに反対したのが母。自分の産んだ可愛い子供がそんなことを言い出すとは思ってなかったらしく恭華の父とも意見が相違して最後には「私の子じゃない!」と暴言を吐いたのち、消息を絶った。今では音沙汰などまるでなくその日以来姿をくらませている。
彼女は既にたくさんの辛い出来事の中今に至るのだ。
「俺はお前に殺して欲しかったりするかもな」
「ド変態」
「…っるせぇ」
冷たい声で変態呼ばわりされた俺は内心、心底傷付いたが至って普通に振る舞う。
「さて、いくぞ?準備はいいか?」
「いつでもどうぞ…お姫様…?クスッ」
「女扱いするなァァァァ!!!」
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