~序幕:思い出と悲劇~

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俺の挑発に怒りを覚えた恭華は俺めがけ一目散に走ってきて刀を振り上げる。その攻撃を俺はしっかり受け止めた。激しく鋭い耳を劈く音が当たりに飛び交う。ギリギリと刃が重なり合う音を肌で感じながら恭華の表情を見ると瞳に「斬る」という一言しか書いていなかった。 当然だろう恭華が一番嫌うことをしたのだから。恭華は女であることを捨てた身。 女扱いは「弱き者」と言われているようで腹が立つらしい。だから女扱いが1番嫌いなのだ。まぁたまには鎧を脱いで着物を身に纏って欲しいという願望は大いにあるがね(殴) 「おぉ、怖い怖い。そんな怖い顔してっと、嫁の貰い手なくなりますよ」 「ッ…‼‼‼」 挑発をより一層加速させ敢えて逆鱗に触れる。そうでもしないと面白くない。 「もう一度言ってみろ…‼‼」 「ん?あーいいぜ。可愛いお姫様…?クスッ」 「…‼‼その口切り裂いてやる…‼‼」 怒りに任せた彼女の刀術は美しい且つ繊細で無駄な身のこなしが全くない。次々と繰り出される恭華からの攻撃に防戦一方で守りを固め全ての攻撃を受け止める。
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