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正直少しどころの痛みではないが心配させたくもないのでここは痩せ我慢をしておくことにする。蓮花様の笑顔は今日も変わらず健在していた。暫くその笑顔に癒されつつ談笑していると、部屋の戸がスッと開かれて細々とした声が聴こえてくる。
「麗様、朝食ができあがりました。蓮花様の分もお部屋にご用意してあります」
「ここへ持ってきてくれないかしら?麗に食べさせてあげたいから」
「分かりました」
さらっと告げるその言葉に私は慌てて反応する。
「蓮花様!私のことはお気になさらず…」
「だめよ、まだ全く傷癒えてないんだから。それにいつも私は護られてばかりなんだからこういう時くらいいいでしょ…?」
「…」
蓮花様は有無を言わさない見えない圧を私に掛けたのだろうか、何も言い返せなくなった。静かに「はい」と告げる。すると蓮花様は私にニコッと笑いかけてくれた。しかしそれは長くは続かず自分の食事と私の食事を見比べて私にボソッと問いかけた。
「…この食事はどうして私が食べないとならないの…?」
「蓮花様…?」
蓮花様はそう言うと私に背を向け話し出す。
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