激昂の月光下

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昼食を済まして一服していた昼過ぎ、蓮花様の部屋を今尚陣取る私の隣でお淑やかに座る主と談笑を楽しんでいた。すると、戸の向こうから控えめに蓮花様を呼ぶ声がした。 「蓮花様、高政様と政幸様がいらっしゃっております」 「そうなの?御二人御一緒に?お通しして」 政幸様がお見えになられるのことは珍しいので二人で顔を見合せ何事かと少し身構える。 この前の澄海様の「共に宴をしたい」という願いが政幸様の耳に届いたのだろうか? 少し経ち、さっきの淑女とは違う低い声が戸の向こうから響いた。 「蓮花、入るぞ?」 「どうぞ」 開いた戸から高政様、岳さん、そして幸政様が揃ってお出でになり、私を囲うように座った。皆は入ってくるなり寝た状態の私に視線を投げた。 いつも寝転がった態勢など見せるはずがないため少しは物珍しい所もあるだろう。 「麗どうしたんじゃ?!」 幸政様が一番驚いて私を問い詰めると岳さんが呆れながら漏らした。 「幸政の旦那~昨日話したっしょ?もう忘れたんすか?」 「はて?そうじゃったかのぉ……」 幸政様は忘れっぽい御方なので皆もう慣れている。 しかしその忘れっぽいところも幸政様の人柄であり何故か憎めない。
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