13人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫だよ麗ちゃん!今度奴らが来たら俺が護ってあげるから!」
皆私を心配してくれているようだ。
私だって出来ることならばもう会いたくもないが、彩蘭軍の皆の仇でもある以上そうはいかない。心の奥底で自分が殺らなければと、ケジメをつけなければと思うようになっていた。
「あ、蓮花。そろそろ父上のところへいかないと」
「あら、いけない。行きましょ。二人はここで待っていて、すぐ戻るわ」
足早に部屋を出ていく御二人を見送り、私は岳さんと二人になってしまった現実に取り残される。今日はなんて最悪な日なんだろう。
「二人になっちゃったね」
「· · ·」
これほど、動かない体を憎んだことは無い。
岳さんは私にニコッと笑いかけ、対象に私は警戒心を剥き出す。
「どうしたの?何もしないよ?麗ちゃん何か変な勘違いしてない?」
岳さんは私をからかうようにニヤニヤと笑う。
「…完治したら覚悟してくださいね」
自分の勘違いが恥ずかしい。
変な方向で勘違いしてしまった。
「抱きしめてくれるのかな?まぁ、二人すぐ帰ってくると思うし、楽しく話でもして待っていようよ」
「今日ばかりは仕方ないですね…」
最初のコメントを投稿しよう!