隣室の地底人

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 空室だった666号室に、新しい人が引っ越してきた。  その日の夜、俺の住む665号室に男があいさつにきた。黒いサングラスをかけて青白い顔をした男だった。  男は粗品と書かれたタオルを差し出しながら、「私は地底人です。よろしくお願いします」と言った。俺は笑いながら、「どうぞよろしく」と言った。こうして俺と地底人の近所付き合いが始まった。  地底人はいつも、昼間は眠っていて、夜になると起きてどこかへ出かけていった。それは、夜の仕事をしている俺の生活のリズムとほぼ同じだった。そういうわけもあってか、俺たちはなんとなくウマが合った。  やがて、俺の仕事が休みの夜には、お互いの部屋を行き来するようになった。
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