1ステージ

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 ……うん。なんともない。  やっぱりな…。  俺は自分の体が正常に機能していることに、ニヤリと笑った。  やっぱり、俺は運が良い。  持っていたワイングラスを床に置いて、高笑いしようと両手を広げたところでその手をそっと下ろす。  監視カメラと目が合ったからだ。 「そういや…全部見られてるんだったか…」  手持ち無沙汰になった俺は、しばらく部屋の中を歩き回った。  こんなに凝った企画のわりには、あっけなく終わってしまった。  さっきの錠剤、はずれの方には毒が入っていたかもしれない…。  それなのに、ものの数秒で判断をした俺は…  やっぱり、運が良い。
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