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僕は銃を扱うのは初めてではない。
幼少の頃は父と一緒に
よく銃の練習をしていたものだ。
僕の父は傭兵だった。
ある日、雇われていた組織が中東へ進出するということで、父も共に向かっていった。
その頃の中東の情勢は凄まじい内戦状態で、政府を含む7つの組織で
昼夜問わず毎日戦っていた。
そんなところに行くことを母は
強く反対した。組織から逃げて
平和に暮らそうと父を説得した。
しかし、父は「必ず戻ってくる」
と言い残して行ったのだ。
しばらくしてからニュースで中東の様子が流れた。戦争が終わったのだ。7つの組織は全て壊滅状態となって降伏し、生き残ったのは父を雇っていた組織であった。
後に帰国してきた組織の
幹部の1人が家に来た。
あの戦いに勝利できたのは
父のおかげであったと、
今回の死者は父を含む30人であったと、
涙ぐみながら言っていた。
父は敵対する7つの組織のうち5つの組織の首領を倒したらしい。味方が包囲されたときに1人で駆け出し、その組織の首領の首を
斬って持って来たことで
その敵は逃げ、味方の壊滅を免れたという。
しかし、1人で首を取るということは簡単なことではない。見張りを含めて40名と戦ってきたのだ。体は銃弾と傷だらけ、敵が失せると、安心したように
崩れ落ちていったという。
その日父は伝説となった。
"世界一勇猛な傭兵"として
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