夏の記憶「レコード」・『うそつき』の後で読んで下さい。

記憶

苦しい程の熱情は
壊れたレコードの様に
何度も愛の言葉を放つ

甘苦い切なさは
針を刻むような　心の痛み

指を重ね合わせた魂は
涙が出る程の　喜びの慟哭を上げ

唇を吸い付かせた二つの身体は
もう二度と離れられない愛を誓い

たった一つの曲だけを
死ぬまでずっと流すと決めた

あの蒸し暑い　夏の日の夜