第七章 教団決戦

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「……遺言はもう終わりか?」 「まだだな」  清悟は立ち上がると床に刺していた大剣を抜く。  獣鬼がゆらゆらと迫りくる中、清悟は郷田だけを敵と認めバーニア噴射全開で飛びかかる。郷田も獣鬼に邪魔されずケリをつけようと、全力で地を蹴った。 「「はぁっ!!」」  清悟の蹴りが郷田の左脇腹へ直撃。左腕がないためにがら空きだ。郷田は構わず拳を繰り出す。清悟は大剣の刀身で受け、衝撃で後ろへ押し戻される。郷田は着地と同時に清悟へ飛び掛かった。小刻みに立ち位置を入れ替え、連続で拳を繰り出す。清悟は刀身を盾にして受けるが、厄介だった。大ぶりな攻撃の方が反撃しやすいからだ。大剣で反撃する隙などどこにもない。もし郷田が左腕も健在であれば、完全に押し切られていただろう。 「うおぉぉぉ!」  清悟はバーニアを噴かせ押し返す。全速力でそのまま背後の壁へと叩きつけようとするが、鬼人の腕力で押しとどめられる。郷田は右腕を突き出し踏ん張っていた。足は床に食い込んでいるものの、そこから先へは進まない。 「それならっ!」  清悟は右足を捻り瞬発噴射で緊急後退、そして左足を捻り背後へ噴射し再度突進。 「しまっ!」  郷田は急に引かれたことで前のめりによろけ、二度目の突進で顔面に刀身を叩きつけられ突き飛ばされた。すぐ背後の柱へ衝突する。 「がっ」 「くらえっ!」  清悟はすかさず大剣を振り抜き柱ごと薙ぎ払う。
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