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僕は毎年5月の第2日曜日には、母にカーネーションを贈る。
歳の数だけ、カーネーションを贈る。
僕の誇らしい母さんに、毎年必ず、
母さんは僕が小学生の低学年の時、運動会の徒競走で2番になったら、
「あんな子に負けちゃって」
と、僕を激励してくれた。
僕が中学生になった時は
「みんなもっと頑張っているのよ」
と、塾にピアノにスイミング、それにお習字まで通わせてくれた。
僕が高校生になった時は、
「不良になってはいけないから」
って、携帯もお小遣いも持たせてはくれなかった。
僕が医学部に入るって決まった時、
「現役で有名大の医学部に入れるなんて、私の誇りだわ」
って言ってくれた。
「(世間体をいつでも気にしてくれて)僕も母さんを誇りに思うよ」
そして外科医になった今年も、僕は母さんにカーネーションを贈るよ。
それはそれは立派なカーネーションを。
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