母の日

1/2
前へ
/2ページ
次へ
僕は毎年5月の第2日曜日には、母にカーネーションを贈る。 歳の数だけ、カーネーションを贈る。 僕の誇らしい母さんに、毎年必ず、 母さんは僕が小学生の低学年の時、運動会の徒競走で2番になったら、 「あんな子に負けちゃって」 と、僕を激励してくれた。 僕が中学生になった時は 「みんなもっと頑張っているのよ」 と、塾にピアノにスイミング、それにお習字まで通わせてくれた。 僕が高校生になった時は、 「不良になってはいけないから」 って、携帯もお小遣いも持たせてはくれなかった。 僕が医学部に入るって決まった時、 「現役で有名大の医学部に入れるなんて、私の誇りだわ」 って言ってくれた。 「(世間体をいつでも気にしてくれて)僕も母さんを誇りに思うよ」 そして外科医になった今年も、僕は母さんにカーネーションを贈るよ。 それはそれは立派なカーネーションを。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加