道化師は語る

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先に乗った人形師の男性が、ミルプに声をかける。 「ミルプ。道化師さんはまだ見えないかい?」 「はい。用心棒さんが起こしに行っています」 「ははは。つかみどころがないよな、あの人は」 「そうですよね」 人形師の男性と話していると、道化師と用心棒がやって来た。道化師はあくびをしている。 「まったく、お前は生活能力がなさすぎる。睡眠時間も管理できないのか」 「あははは。すみません」 二人が荷馬車に乗り込む。馬を操る男性が、確認を取った。 「揃いましたかね?」 「ああ、全員いる」 と、用心棒が答える。 「では出発します」 「皆さん、これからよろしくお願いします」 道化師が率いる劇団の、旅が始まるのだった。
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