道化師は語る

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☆ 道化師が戻ってきた。城内ではその話題で持ちきりとなり、周囲はざわついた。廊下を掃除していた、新しく入ったばかりの使用人が不思議がる。 「道化師って、主人を笑わせることが仕事ですよね? どうして道化師が外に?」 「王子の道化師は【語り部】でもあるのよ。だから旅に出て、色んな物語を話しているの。王子はそんな語り部に興味を持って、定期的に城へ戻るよう約束をして、道化師にした。そして語り部による話を聞くことにしているの。王子は旅の話でも面白がる方だから」 「変わってらっしゃいますね」 「あ、あれよ」
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