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「劇団でも作る気か?」
「それも良いですね。つきましては、可能なら援助をしていただきたいのですが」
とうとう王子は吹き出した。要は、王族の金で、民の前で人形劇という形をとり、民を楽しませる腹なのだ。さらに言えば、王族の金をそのまま民たちの足しにすることもできる。語り部である道化師は金銭を持たないが、劇団が金銭の管理をすれば、道化師本人も食事には困らないだろう。
大笑いした王子が、息を整える。
「お前、王族を、この俺を利用するつもりか」
「そういう解釈もできますね」
沈黙が辺りを包む。やがて、王子がにやりと笑みを浮かべ、口を開いた。
「いいだろう。許可する」
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