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 俯いて歩いていると、不意に大きな桜の木が視界に入った。そこは神社みたいで、真っ赤な鳥居も見える。自然と、惹き付けられる。  …あ、でも、階段の段数がすごいなあ。まあ、いっか!  階段に足をかけて上がっていく。  この階段、何段あるんだろう。数えながら行ってみようかな。 「いーち、にーい、さーん、しー…」 「──何、してるの?」 「?!」  唐突に横から声をかけられて、ぴゃっと飛び上がる。び、びっくりした…  周りを見回してみたけど、声の主の姿は見えなかった。…え、さっきのは、気のせい? 「こっちだよ。上、上」 「う、え…?」  声の言うとおりに見上げてみると、桜の木々の間に男の子の姿が見えた。多分…私と同い年ぐらい、かな? くすくすと笑っている。  ……というか、桜の木の枝に座ってるように見えるんだけど気のせい…?
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