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「おいお前ら、いい加減静かにしろよ。もうそろそろ、転校生ちゃんにも入ってきてもらうから。」
ざわり。先ほどの騒がしさとは違った高揚感に満ちた空気が教室を包む。幾つもの好奇の目が、教卓へと向かう。
「おお、やっと静かになったか。よし、じゃあ入ってきてもらおうか。」
入ってきて。と斎藤が言った。
「失礼します。」
少し震えているが、凛とした声が教室へと広がる。水が波紋をつくるように素早く、声の方へと視線が向かう。とんとんとん。ただ床を歩く音だけが教室に響く。周りを気遣ってかの、控えめな足音に好奇の視線は、期待へと変化する。くるり、転校生が前を向いた。得体の知れない興奮が、教室を満たす。
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