白いアサガオ

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ごくん、美花は息を飲んだ。先程までの黒い塊が吸い込まれていく。じゃあ自己紹介して。斎藤が、ぼそりと転校生へと囁いた。転校生はキリッと前を向いた。その目は、世界を全て映し出すように、大きく透き通っている。風がすっと吹き抜ける。 「赤木奈緒です。西高校から転校してきました。 趣味は、音楽を聴くことです。前の学校では、吹奏楽部で、フルートをしてました。よろしくお願いします。」  そう言って、奈緒は、恥ずかしそうに微笑んだ。どくん、どくんと美花の心臓が大きく波打つ。砂糖菓子のように甘い気持ちが、胸を焦がす。あぁ、私はどうしてこんなにもよく知らない転校生へと、想いが溢れていくのだろう。ほうっと美花はため息をついた。
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