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逃げる愛子は余裕だった。
愛子は舗装されているメインの道路から林道に入った。
「世界トップクラスのベンツでもこんな細いでこぼこのオフロード
じゃ無理だよ、ボロボロになるからね」
窪みで車の腹をこすり、砂利道でスピンしたところ
愛子が撒いたまきびしでタイヤがパンクした。
慌てふためく男三人。一人が指図してスペアタイヤに履き替えた。
余裕の愛子は前方で止まって挑発していた。
林道は再び本道に戻る、出口で待っていた松子の車。
「遅いね~ 途中でベンツがパンクしたんだって、愛ちゃん
待ってあげてるのね、優しいなあ、あっ、出て来た」
愛子がチラッと松子の車を見て走って行った。
そのあと汚れたベンツがニンジャを追って行った。
「スペアタイヤに履き替えたのね、でもあまりスピード出すと
危ないよそのタイヤじゃ、奴等が高速にのるまで行こうか、途中で
逃げられないように見張って」
「その後はどうするんですか」
「警察に連絡する、スペアタイヤのベンツなんか直ぐに見つかるから、
そこまでが私達の役目、それからは都心のアジトに行くわよ、
愛子も行くから」
「私は只見で下してくれないんですか」
「今回はダメね、暇な時やって」
ベンツの後ろを走りながら松子が言った。
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