果ては・・・

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「よっしゃこれでうまい事いったな、後はあやめが事務所に電話して あやめが出て行くか事務所の奴らがやって来るかやろな」  サキはビルを出て斜め向かいのコンビニに入った。  愛子に電話すると別荘から出たベンツはもうすぐ事務所に着くらしい。 「ほな只見の別荘には警察が入ったんやな、赤ちゃんや、妊娠してる 女らも確保されたんやな、後はこっちの事務所の奴等とあやめを いっぺんに捕まえなかったらあやめは逃げるで、あ、あやめが出て来た」  サキは店でスカーフを買いほっかむりをしてあやめの後を尾行けた。  本人は変装のつもりだが逆に目立っている。  風俗街を横切り商店街の一画にあるビルの地下に入って行くあやめ。 「おろし屋のおばはんが事務所に入ったみたいや、これで警察が来たら 一網打尽やけど・・・来えへんのかいな」  松子に電話すると、 「ベンツが高速走ってる時、警察に止められて職務質問受けたの、 スペアタイヤで高速走ってるから、遅れちゃうかも・・」 「ええっ、それやったら別荘かベンツの奴等から事務所に連絡 行ってるんとちゃうか事務所の奴等逃げてまうで、あかんやん」  ビルの横でベンツと警察が早く来ないかと気を揉んでいたが 数十分後あやめがビルから出て来た。 「あやめや!あかんで、しゃーないな」  あやめを逃がすまいと走って行った。
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