果ては・・・

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 愛子は二人の警官を連れていた。 「あの人です、捕まえて下さい」  愛子が指差して言うと警官は素早くサキをうつ伏せに寝かせ 手錠を掛けた。その間に猛ダッシュで逃げるあやめ。 「なにすんねん!わてとちゃうがな!あいつの方や!」 「おとなしくしろ!」 「もう・・・ほんまに・・」  逃げたあやめを愛子が捕まえて戻って来た。 「サキさん、なんか悪い事したの?」 「ちゃうがな、あんたの説明が悪いんや!」  怒るサキ。 「私はちゃんとあやめの方を指差して教えましたよ」  と警官を振り返る愛子。 「あいや、ど、どう見てもこの人の方が悪そうで・・・」 「ちゃかましわ! はよ手錠外せ!」  ベンツの男達が事務所に入った後警官が突入して全員 逮捕された、一人だけおろし屋のあやめが逃げ出したのだ。  別荘にいた手下や妊婦、赤ちゃんは無事保護された。 「サキさんのおかげで一人残らず、お手柄ね」と愛子。 「あたりまえじゃ、犯人逮捕に貢献したわてに感謝状 くれるんやろな」 「それはちょっとわかりません・・」と若い警官。 「ほなわてと一晩付き合え!」  早々に警官は去って行った。
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