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白石は黙って松子の話を聞いていた、そして、
「メリナは優しくいい子でした、貧しくて家族を支えたいと
言ってました、それで何とか日本で研修できるように働いたんですが・・
メリナが妊娠していたって知らなかった・・」
ガックリうなだれる白石。
「メリナと赤ちゃんは本国に帰ることを希望しています、
それで赤ちゃんの出生を保証するために白石さんの認知が
必要なんです」
「え、それは‥ そんな事したら大変な事になる」
白石が慌てた。
「大変な事になる前にあんたが大変な事したんやないか、
心配せんでも完全に秘密裏にやるから家族にも知られんから、
赤ちゃんの出自は大事なもんやからな」
「本当に秘密にしてくれるなら、家族に内緒なら認知してもいい、
サインします、私は婿養子で家内家族には頭が上がらない・・」
「しってるで、家の中ではペット以下らしいな、どっかのやかましい
国会議員の家とおんなじやんか、これ見てみ可愛らしい男の子や」
サキが赤ん坊の写真を見せた。
白石が微笑みながら涙ぐんだ。
「こんな可愛いあんたの子を向こうの国で悲惨な目に合わせられんやろ」
白石は 何度も頭を下げた。
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