果ては・・・

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 忌まわしい赤ちゃん売買の事件は解決した。 「よかったなあ、メリナも赤ちゃんも無事に暮らせるやろ」 とサキ。 「でも国に帰ったら生活が大変なんでしょ?」妙子が言った。 「そこは難民の支援団体に登録して定期的にみまもってくれるそうよ、 白石さんも内緒で援助してくれるらしいし、とにかくメリナが 元気で意欲があるからよかった」  松子が言った。 「そやな、白石も養子で嫁はんに押さえつけられて頭が上がらん から優しいメリナに心が動かされたんや、自分の分身がよその 国で苦しんでたらたまらんやろ、あ、マイロあんたもタイで 隠し子おるんとちゃうやろな」 「とんでもござらん!それがしは松子姫一筋・・」 「男は知らない場合が多いから、見付かったらあんた切腹!」 「ぎ、御意・・・」  マイロは色々思い返しているようだ。 「その点卓也君は真面目で心配する事ないからよかった」  と妙子が言うと、 「卓也君は妙ちゃんに生気吸い取られまくってるから 浮気もなんにもできひんわ」 「まあね」 「へたしたら死ぬで」 
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