サキ 友達ができる

6/20
前へ
/1113ページ
次へ
 駅前で妙子が待っていた。  事情を説明すると満面の笑みをたたえて先頭に立った。 「また中華かいな、うちの店でも思いっきり食べてるやん」 「それはそうですけど店によって味が違うんですよ、 中国は広いからここは豚足が美味しい」 「豚足何個も食べて、あんた象の足でも食べるんちゃうか」 「あったらいただきます」 「かなんやっちゃな」 「あのスーパー私もよく利用してますけど、全体が古くなって 入口辺り胡散臭そうな奴等がウロウロしてるのを見ました」  妙子が言った。 「そうなんです、古いごみごみした感じになって変な奴等が たむろしてたりするんですよ、脅迫もされて店に車で突っこむとか 爆弾仕掛けるとかありました」  「ほんまかいな、あんた万引きだけに注意しとられへんなあ」  たしかにそうだ、こんな年配の女性に全ての警備が務まる訳なかった。 「山田がもうちょっとしっかりやってくれればいいんですが・・」 「まあ、無理やな」  冷たく言うサキだった。  
/1113ページ

最初のコメントを投稿しよう!

330人が本棚に入れています
本棚に追加