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「吟子おばちゃんの孫娘の真理ちゃん見た事ある、真理ちゃんが
小学生の頃大松屋に来て八重子おばちゃんとよく話してたから、
明るくてかわいい子だった」
松子が言った。
「家出っても色々な理由がありますよね、私の場合は家族が
いなくなったから家出と言えるかどうかわからないけど
淋しかったことは確かだから」
妙子が言った。
「家が嫌で出て行ったわけでもない、ただ外の世界が楽しそう
に見えただけなら、でも帰って来るとつまらなくてまた
外に憧れてしまうとかね」
「虚飾の世界にマヒしてしまうと時間かかりそうだけど
総明な考えを持った真理ちゃんなら気付くと思う」
と愛子。
「そや、真理ちゃんがたまに手紙出して吟子さんを心配してるんやで、
ということは帰るに帰られん事情があるんやないかな、もしかして
子供が出来たとか?堪忍してや吟子さんもう限界やで」
「子供が出来たとしたら頼れるのは吟子さんしかいないと思う、
手紙には連絡先がなかったという事は・・監視されてるかも」
松子が言った。
家出といっても初歩の段階では近場が多い。
地元の仲間が集まってグループをなし他の仲間と接触し
範囲を広げ外国にまで行ったりする。
「ほな、食べるために金が必要になるな、手っ取り速いのが
女や、真理ちゃん商売道具にされてんのちゃうか、そやから
監視されて連絡先も書かれへん」
まずは近場のグループ、警察にマークされているところ
から調べてみる事にした。
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