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「あ、いや、一、二回見てやった娘だったよ、大人しそうで
年の割にはちょっと疲れてやつれてたみたいだったけど、わしの
好みじゃった」
「あほ! それでその子はどこにおんねん、はよ占え!」
「そんな・・まじめそうで静かな感じだが服装は派手だったな、
水商売の制服だったか、彼女には似合わなかった」
「どんな制服や、キャバレー尼寺のやつか?」
「あんな服着てたらバカだよ」
「わてが着とったんや!」
「繁華街のどこかで仕事してる訳ね、雲斎さん服装よく思い出して、
手紙に連絡先が無かったのは監視されてるって事か」
愛子が言った。
「雲斎さんのとこへまた来るかも分らないから来たら直ぐに
連絡して、バッグ質に入れた代わりに一杯お金渡すから」
「それは有難い」
「あんた尋ね人や行方探しも占うんやろ、はよ探さんかいな」
「それはちょっと難しい、適当な事言えんからな」
吟子が祈るような表情で手を合わせた。
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