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翌日の夜、仕事を終えた吟子と山田が大松屋を訪ねた。
「昨日は私休みでいなかったんですけど、山田が大変な被害
を受けて・・それで防犯カメラを見たら万引きした女は娘の
真理かと思うんですが、どうしたらいいのか」
「僕たちもカメラの映像見ました、真理さんだと思います」
俊太郎が答えた。
「被害を受けた山田がかわいそうで」
吟子は言ったが、
「いや何でもないですよハハハ、それより真理さん深い事情が
あるのかなと」
妙に上気した山田を見て、サキが、
「山田、あんた真理ちゃんジ~~っと見とったな、
いや可愛い子やんか 一目惚れか?」
「そ、そんな事はありませんが吟子さんの孫娘だと聞いて
悪い道から抜け出せるように協力しようかなと思って・・」
「やっぱり惚れたな、その前に顔の痣しっかり治さんと
仕事できひんで」
「真理は私がスーパーで働いている事は知ってました、で
万引きをしたのは私に知らせるためか何かのサインかなと
思うんですが」
「おばあちゃんが働いてるところでわざわざ万引きなんてしないです
よね、わざと捕まって助けを求めたとか・・」
妙子が言った。
「山田、あんたがもうちょっと強うて奴等をやっつけたら
真理ちゃんを助けられたかもしれんな、まあ、
顔ボコボコやから許したるけど、不細工なやっちゃ」
すみませんと頭を下げる山田。
ほどなくして愛子が帰って来た。
「奴等の居場所が分かったよ、働いてる店もわかった」
キャバレー尼寺の近くにあるマッサージ風の店だった。
「山田、あんた客になって行くか?」
「行く!行きます!」
「やっぱりあかん、もっとボコボコになるで」
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