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山田が大松屋を無視してマッサージ店に侵入したらしい事
が分かったのはかなり後だった。
「山田がいないのでもしかしたらと思ったんですが・・
店に入れば袋のネズミですよね、命に係わるかも」
吟子が心配していた。
「山田は真理ちゃんに一目惚れやから無茶しよるわ、
今までよっぽど女に縁がなかったんやろな、ああいう奴は
真理ちゃんのために何でもしよるわ、アドレナリンが出まくって
殴られても刺されても痛ないように感じるんや、
吟子さんは山田の最期を認めてやらなあかんで」
「まだ死んだわけじゃ・・」
「あ、そやったな、大急ぎで真理ちゃんと山田助ける
方法考えるからな、あんたは変な事せんとじっとしとり、
みんなと相談するから」
目を離すと吟子まで店に乗り込まないか心配だった。
「妙ちゃんと一緒にどら焼きでも食べときな、お茶でも飲んで」
妙子が食べ物を一杯持って部屋に入って来た。
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