サキ 友達ができる

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 知り合いの警察官や公安職員に地域の過激グループやマーク されている不良たちを聞いてみた。 「ある程度は把握してるけどねこういう奴等は消えたり 増殖したりするからなかなか難しいんだよ、暴走族なんかや 半グレ集団なんかもいるし」  公安職員が言った。 「私達が勝手に行動して面倒な事になると逆に警察から 咎められたりするしね、勝手な事は出来ないね」  大松屋に来ていた吟子に捜索は難しいと説明した。 「そうですか・・」  と肩を落として答える吟子。 「よう、久しぶりだなあ元気かみんな」  白雲斉がよれよれの袴姿でやって来た。八卦見の仕事も まあまあで今はたい焼き屋の屋台の隣に定着しているようだ。 「髪ぼさぼさのむさくるしいおっさんが来た思たらなんや、 白雲斉か、また金欠か?」 「いやそうではない、その日食べる分は稼いどる、妙ちゃんに お土産じゃ、たい焼き屋のおやじに貰ったぞ、ほれ」 「わー、ありがとう、嬉しい、もしかしてたい焼き屋のおじさん 私のこと好きなんじゃないかな」 「ちがうわ、あんたがたい焼き好きなだけや」  「それと、これを質に入れようと思ってな」  雲斎が松子に見せたのは高級ブランドのバッグだった。  ふむふむと松子が品定めをした。 「よく保存されて傷みもないし綺麗だわ、ちょっとだけ バッグの底に青い染みがあるけど問題ないかも・・」  松子の言葉に吟子がハッと反応した。 「そのバッグ、真理の・・・」  吟子が手に取ってバッグを見た。真理のバッグだった。 「雲斎!どないして手に入れたんや、正直にいわんかいっ!」
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