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赤い宝石 ―エシャムサタムとノムの物語―
「……んっ」
まるで一つに溶けてなくなってしまうかのよう。
身体は熱く、間に距離はない。
「あぁっ…!」
後ろから強く抱きしめられる。
寝台の上に膝立ちの状態で、抜くことをせずに固く立派な杭が最奥をグイグイと突き続ける。
この腕がなければ、耐えられずに寝台に落ちている。
「ふふ…いい声」
ぞくっと快感が走る。
「もっと聞かせて」
甘える声に、言うことをきいてしまいそうになる。
「あっ!」
願いを叶えるために、速度が速くなる。
(これ、やば…)
なんでこんなところまで届くのか。やはり、血か。
彼の成長を身をもって感じてきた。今では最奥の扉をこじ開けられ、その先にまで行く。そこでこんなに感じる自分がいる。
身体を無理やり変えられる。その快感に身体が痺れて泣きそうになる。
後ろから揺らされながら、うなじに固い歯と柔らかい唇。これは彼の癖。
「あっ……い、く……っ」
「イく?いいよ、イって」
片手が顎に添えられ、誘導された。その先に待っていた唇に捉えられ、舌を交わせながら勢いを増して中を攻められる。
「んンんっ…!」
グチュグチュと卑猥な音がする。それが上からなのか下からなのか、もうわからない。
長い髪が肌を優しく撫でる。
「んン~~~~~っ!!!」
口内を犯されたまま、達してしまった。身体がビクンビクンと震える。
「………はぁ」
クチュ、と水音を鳴らして唇が離れた。名残惜しむように、二人の間に糸が光る。
そこには満足そうな笑み。
「キスでイくの好きでしょ。否定したってわかってるよ。イく時の顔、とろけて最高だから。あ、全部可愛くて最高なんだけど!」
「なに下品なこと言ってんです」
「え~~?」
中のものはまだまだ足りないと訴えている。
「まだするんでしょう?イってないみたいですし」
「そっちだって下品じゃない!」
「俺はいいんですよ」
「え~~?」
不満を表す顔がとてつもなく愛しく、思わず笑みが漏れた。
「あっ、笑ったな!」
「んあっ!」
奥の奥の奥まで入っていたものが、勢いよく抜き出て行った。すべてが一緒に持っていかれそうで、声が出る。
そして、身体をひっくり返される。さっきまで熱を感じていた背中は、グチャグチャに乱れた寝台に上にボスンと落ちた。
そして、再び杭がバチンと打ちつける肌の音を鳴らして元の位置に挿入された。待ってましたと身体は喜び、大きく震える。
その喜びが続く中、腰が激しく動き始める。さっきと違う場所にあたり、違う快感に襲われる。
背中から繋がるのは好きだ。腕は離れたくないと抱いてくれるし、その時は抜かずにただただ奥へ奥へ進んでくるのが彼の好みなので、どの体位よりも熱と肌を感じることができる。
うなじに熱と痛みを感じるのも好きだ。しかし、心臓にわずかな痛みを感じるのも事実。
「なに考えてるの」
「ん?」
「私の顔見ながら考え事?余裕だね」
「ンあっ!」
腰を掴まれ、持ち上げられた。身体は反るように宙に浮き、彼の身体の上に乗った。
チカチカと目の前が点滅する。
「あ、う…」
彼の片手は浮く身体を支え、寝台についたもう片方の手を支えにして身体が後ろに倒れる。斜めに倒れた彼の上に身体が引き上げられ、下から突き上げられる。
教えられたのか、自分で勉強したのかしらないが、いつの間にかこんなことを覚えていた。これをやられて、失神したことが過去数回ある。
起きた時には心配して謝ってくれるのだが、最中はその気遣いがまったくない。
どうやら機嫌を損ねてしまったようだ。
「あぁっ、あ…!っ……馬、鹿ですか」
「は?」
「俺が……あなたのこと、以外……考えるはずがっ…ないでしょう」
動きがピタっと止まり、顔がカァ~と赤く染まる。
「これも最高にイイんですけど、そんな後ろに下がらないでくださいよ」
後ろに倒れていた身体は前に覆いかぶさるように倒れ、唇を貪った。
(……赤い、宝石)
初めて会った時から、この美しい人の虜だ。
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