ヘルズスクエアの子供達~パートⅠエッグのお話

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[僕]  スノー・ホワイト流の話し方じゃ、マズいと思うよ。 [マッシュ]  もちろん、冗談だよ、冗談。 [ウィロー]  何? [僕]  あのね、一週間前の夜、パンプキンが、二年も付き合っているリリーに、お休みのキスしていいですかって聞こうとしたんだ。  ところがさ、恥ずかしがってばかりで、モジモジソワソワ、声にならない。  そしたら、スノー・ホワイトが、どっかから飛び出してきて、いきなり 「オシッコしたいの?」なんて聞くんだからね。 [マッシュ]  可哀想なのはリリーだぜ。ずっとパンプキンに憧れてたからなあ、あいつ。三歳の時からパンプキンにベッタリで、ずうっとキスしてもらいたがってたのに。それが、スノー・ホワイトの一言でポシャッた。パンプキンは、当分、キスどころじゃないぜ。内気だから。 [僕]  スノー・ホワイトはいつだってそうなんだ。チェリーが、スワンプの底無しに首まではまりこんで、溺れかけてる時だって・・・。 [マッシュ]  知ってる!お風呂に入ってるの?なんて聞くんだもんな。  笑いごとじゃないぜ、ウィロー。チェリーはあやうく死ぬとこだったんだ。  そいでさ、スノー・ホワイトは石けん取ってくるなんて言って、張り切って行っちまって・・・まあ、まだ五歳半だからな。とんでもないチビすけのせいで、チェリーは・・・。 [僕]  そこでストップ。ウィローの話を聞いてたんじゃなかった? マッシュ  そうだった。また、やっちまったな。ごめんよ、ウィロー。  それで・・・と。何だったっけ? [ウィロー]  もう、どうでもよくなったわ。 [僕]  そう言わないで、話してごらんよ。ちゃんと聞くから。 [ウィロー]  これ、話していい事かわからない。でも、ヘブン・スクエアの人達が、まだ使える洋服とか雑貨を捨てたり、食べ物なんかもすぐにポイポイとゴミ捨て場に持っていくのには、理由があるのよ。多分、だけど。 [マッシュ]  ヘブン・スクエアの連中は、金持ちだからだろ?〈壁〉の向こう側の事は全然、知らないけど。 [ウィロー]  それほどお金持ちじゃないのよ、本当は。そりゃ、あなた達とは、全く違う暮らしをしてるけどね。こんなにチッポケで何も無い島で生活してるのは一緒なんだから。  ヘブン・スクエアの人達は、怖いのよ。 [僕]  怖いって、何を怖がってるの?僕達の事を?なんでまた?
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