ヘルズスクエアの子供達~パートⅠエッグのお話

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 もっと大きくなってから・・・僕が決心したその時に。でも必ずそうなるんだ。  一人でここを出て、別な場所で、自分の力だけで生きていく。理由なんか無い。僕は、そうしなきゃいけない。やってみたいんだ。 [ウィロー]  じゃあ、なおさらダイヤがいるでしょう?役に立つわよ。 [僕]  その通りだろうね、ウィロー。役には立つだろう。  でも、僕はいらない。 [ウィロー]  どういう事よ?  一人で生きてみるなんて、あなたは何にも持ってないのに、苦労するわよ。ダイヤがあれば、楽にスタートできる。 [僕]  楽にスタートしたくないんだよ、ウィロー。自分の力だけで、やりたいんだ。 [ウィロー]  後悔するわよ。 [僕]  そうだね、君の言う通りだろう。  ああ、ダイヤ貰っておけばよかった・・・と思う事もあると思うよ。  でも、そう度々じゃないはずだ。そんな風に思わない生き方をするつもりだからね。 [ウィロー]  なら、ヘルズ・スクエアの他の人達にあげればいいじゃない。そうすれば、あなたが島を出た後も安心でしょう? [僕]  いや、ちっとも安心じゃないよ。  ダイヤ百個ってすごく見えるけど、でも、何にも変えられやしないよ。  ヘルズ・スクエアを変えたいなら、そこに住む人一人一人が、自分の力で変えなくちゃ。  例え、どんなに時間がかかっても。少しずつでも。  苦労しても報われないかもしれないよ。それでもいいじゃない。 [ウィロー]  お金がなきゃ、何も出来ないでしょう? [僕]  出来ないなら、変えなきゃいいよ。ありのままを受け入れる手もあるんだ。  ダイヤ百個があればヘルズ・スクエアが救えて、無ければ何もできない?  僕はそんな風になって欲しくないんだ。  ワイルド・ビーにもマネーマネーにも。クリスタル、サンシャイン、ピーチにも。ワイルド・キャット、エンジェル、キャンディ、ピーウィー、グリーンタン、サンダーキッド、パンプキンにスノー・ホワイト・・・全員だとキリないね。  僕の大切なあの子たち・・・。  どの子にも、そんな風になって欲しくない。    ウィローはワッと泣き出した。  でも、僕やマッシュのせいで泣いたんじゃないと思う。ダイヤが原因なのでもない。  何年も何年も、ずっと我慢していた涙が一気に溢れた、そんな感じだった。  だから、僕とマッシュは、無言でそのまま立ち続けた。
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