父、娘のデートの予定を知る

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父、娘のデートの予定を知る

何も見ようと思って見たわけではない。 リビングでうたた寝している娘の夢香を起こそうと思っただけだ。 「寝るならちゃんと布団で寝なさい。風邪引くぞ」 声をかけて、私は夢香の肩を揺すった。 「うーん」 夢香はうめいて、まつげを微かに震わせた。 テーブルの上には、キャラクターのスケジュール帳が開いたままになっている。 「涼くんと待ち合わせ AM10:00駅南口」 そこに書き込まれた、まるっこい文字が、パッと目に飛び込んできた。 周りにハートマークが三つも飛んでいる。 九月末の日曜の欄だ。
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