父、娘を尾行する

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駐車場から、ゆるやかな散策路を歩いた。 道の両脇にはハーブが茂り、花壇には名の知らない花が咲き誇っている。 家族連れや、犬を連れている人もいるようだ。 ほどなくして、バスが到着するのが見えた。 夢香と涼が、並んで丘を登ってくる。 「わあー、きれいだね。お花いっぱい」 ふたりは、そのまま「館内入口」と書かれたゲートをくぐっていった。 少し時間をおいて、私も中に入った。 受付で入館料を払うと、薄いパンフレットを手渡される。 「企画展/植物からの手紙~あなたに贈る花言葉~」と印字された文字が目に入る。 何か催しをやっているらしい。
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