本当のこと

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土下座をしたまま、 静かな沈黙が流れて… また、 痛みが走るのかと、 覚悟をしていると、 「ありさ、お前…」と 今まで聞いたことがないような、 低い重たい声で、 呼ばれて、 思わず顔をあげると、 怒りを含んだような、 恐ろしく険しい顔をされた ご主人様がいました。 そのまま 静かに 手の平で 両頬を挟まれて、 力強く固定され、 目をじーっと見つめられたまま、 「どういうことだ。 いったい、誰に縛られた?」 直球の質問に、 ありさは、 目を泳がせることしか 出来ませんでした。
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