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あばら屋
「店」の中はやけに薄暗かった。
先程までいた繁華街とは比べ物にならないほどさびれていて、本当に店なのかと疑ってしまう。
客は来ているのだろうか。その珍妙な容姿と店の内装で大半の人は近づこうともしないだろう。
俺は少し哀れみの目を店に向けた。
「どうぞそこの椅子に座ってください。すみませんね。こんなさびれた店で。」
「いえ」と空返事をしながら椅子にゆっくりと腰を下ろす。
本当になにもない。
あるのは花瓶と椅子程度。いつか見た物語にでてくるあばら屋のようだ。
「ここ・・・何のお店なんですか?」
興味本意で着ていたローブを脱ぐ彼女に声をかけた。
彼女は服装を素早く整えながらこちらをみずにつぶやいた。
「少しおかしいと思われる仕事です。」
おかしいと思われる仕事?
そう言われると、なんだか嫌な考えが頭をよぎる。
宗教関係かもしれない。でも俺はじいちゃんが仏教信じてるから断んなきゃだけど・・・
もしや風俗関係か?ともかく面倒くさいことになるのは御免だ。
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