14人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
会社を出たあと、俺は昨日倒れたと思われる場所へ向かった。
繁華街のど真ん中で俺は倒れたと見る。そうとう目立ったことだろう。
思い出しただけで恥ずかしい。
それから、どうやって運んだかだ。
女のはずがない。いや、そうとう力のある女かもしれない。
急に真面目に考え始めたことから頭が急に冴えてきたような気さえした。
いや、実際には推測を並べているだけで「捜査」は、平行線なのだが。
突然
「あの、すみません!」
女性の呼び止める声が聞こえ、肩を軽く叩かれる。
Suddenlyと言う、中学で習ったような単語が頭を駆け巡った。
あれ、聞いたことがある英単語だ。
そんな、何年も前の記憶がよみがえるほど俺の思考回路は停止していた。
「どうしました・・・?」
振り替えると珍妙な仮面をつけた女がいた。
スタイルはバツグンなのだが、何があってそんな仮面をつけているのだろう。
「あの・・・体調は大丈夫でしょうか?」
その声は確かに酔いつぶれたときに聞いたことのある声だった。
「あ、えっと・・・。助けてくださったんですね?ありがとうございます。」
「いえいえ」
と、彼女は首をふった。
「でも、その時のこと、覚えてらっしゃいませんよね?」
図星だった。
「・・・はい。」
ふふっと彼女は笑った。
「あの・・、昨晩のこと話していただけませんか。・・・恥ずかしいですけど」
「いいですよ。立ち話もあれですので私の店にいらしてください。」
最初のコメントを投稿しよう!