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「私の屋敷へ来るということは、私と結婚するという意味ですよ。リサ様、ちゃんとわかっておられますか?」
けっ結婚!?
リックと私が?
彼の言葉に目を丸くしていると、体がフワッと持ち上げられる。
「きゃっ、えっ、えーと、その、リックはいいの?確か婚約者がいたよね?」
「えぇいましたが、あなたが来られるのなら破棄しますよ。格下の家の令嬢なので問題はないでしょう」
「いやいやいや、それならダメ」
「問題ありません。彼女も他に好きな方がおられるようですし、私もずっと愛している人がおりますので」
「へぇ!?それなら尚更だめじゃない!私は大丈夫、北の塔はなくなっっちゃって、どうなるのかわからないけれど……とりあえず私がリサだってことは御内密に……ッッ」
言葉を続けようとした刹那、彼の顔が近づき唇へ柔らかいものが触れた。
彼の吐息が間近に感じ、私は驚きのあまり口をパクパクと声がでない。
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