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錆びたナイフ
何だかんだ言っても、大した人生は生きてない。
だから逆に、人を恨めるほど強い感情を抱けるのは
それだけ思い入れに深いものがあるのだろうと
推察できるし、羨ましくもある。
私にもかつてはあった(はず)。
以前は自分のこと恐ろしいくらい思い入れのある人間だと思ってた。
いや、実際、そうだったんだと思うけど・・・
いつの頃からかな、前頭葉がぶっ壊れてしまったみたいに
記憶力が低下するとともに、感情が長続きしなくなった。
と、同時に何かに熱を入れることを避けるようになってしまった。
そりゃ、それなりに長い間生きてれば、
辛い経験の一つや二つあるわけで。
だから、恐れてるんだろうね。
もう二度と、そんな思いをしたくないって。
それに伴い、熱を入れていたものがすべて冷め
長期間熱中することが出来なくなってしまった。
だから去りし日の自分に言ってやりたい。
「貴様、うらやましいぞ」
まぁ、当時の私はといえば、″尖ったナイフ"ならぬ
錆びたナイフ
であり、切れ味そこそこの若者だったからなぁ・・・
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