数%の確率

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数%の確率

そうそう、去年の一月に癌になってね。 ってか、手術して初めて癌だって分かったんだけど。 事前に癌化してるかも、とは言われてたから愕然とはしなかった。 手術前に担当医から言われたのは3つの可能性。 1.良性の嚢腫である(一部摘出)術時間1~2時間 2.良性と悪性の境界である(全摘出+α)術時間2~3時間 3.癌化している(全摘出+α+リンパ節切除)術時間4~6時間 担当医の予想では2(癌化一歩手前)の確率が高いとのことだった。 まぁ、先述した通り、ふたを開けてみたら3だったんだけども 当の私は寝てるだけだから、数%の確率にハマったことなど知る由もなく 何なら「あー、何か空飛んでんなー」みたいな夢まで見てた。 ―― 直後、ものすごい勢いでベッドに押し倒されたような感覚が襲って 強制的に起こされた私の目は、薄暗~く明かりの灯された廊下を捉え、 それで直ぐに分かったんだわ。 (あ、癌だったんだ・・・)って。 結局、約8時間におよぶ大手術(?)となってしまったそうで、 比較するのもなんだけど、普通にオフィスワークしてる人の 1日分の労働時間を要したことになる。 (もちろん私は寝てるだけ) こりゃ、日給1万円、とかではやってもらっちゃ困る仕事だ。 本当、その節は有難うございました。 ・・・ところで。 なぜ8時間になってしまったかというと パンパンに腫れていた臓器が、摘出中に破裂してしまい 癌細胞が転移しないように、と、生理食塩水で しこたま洗っていたからなんだそうな。 術後、病室のベッドの上で姉たちにそう聞かされ 「でも、手術中で良かったね、破裂したの」 とか 「そうじゃなきゃ、大変なことになってたよ」 とか、かけてくれる言葉を遠くで聞きながら(失礼) ・・・ あたしゃ干物か? と、軽くツボに入っていたのは黙っておこうと思う。
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