貴族デイビス様

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貴族デイビス様

世話役達に家や設備を説明する。 「この家は3人住むのが限界ですね。4人家族以上は建て増ししてください。その費用も50年ローンで融資します。利息は不要です」 「分かった」 「トイレは水洗です。用を足したら、このレバーを引くと水が流れて汚物は流れます」 「おお!」 「お風呂は適温のお湯が自動で出ます。水道は止め忘れると大変なので、1日1000リットルまでしか出ない契約にしてます」 「自動でお湯が……それは凄い」 「台所の水道は飲めます。安心安全です」 「おお!」 電気製品の説明は大変だった。 まあ、使いながら覚えてもらおう。 先生役が何人も必要だな。 古い家は解体してもらって、順番に家を建てよう。順番はくじ引きだな。 スラム街の地区別にくじ引きしてもらい、その中でもくじ引きしてもらい、その順番で家を建てよう。 適当に順番を決めると暴動が起きそうだし。 虎神様がいるから、起こらないか。 でも、不満は出るだろうし。なるべく公平にしないとな。 古い家が解体できたら新しい家は一瞬で出現するし。 2000棟くらい、楽なもんだ。 2000家庭から毎月2万クローネの返済か。月に4000万円。 返済分だけでも余裕で生活できるな。 さて、学校や病院とか作ろう。 リポビタンDポーションやユンケル皇帝液ポーションが有るからね、医者なんて不要だし。 必要なのは学校の先生だな。 教師はどこに居るんだ? 学校ギルドとか有るのか? 「神父さん、教師が在席する学校ギルドとか有るんですか?」 「無いですね。私的な塾は有りますが、神父が教会で教える事が多いです」 「神父さんを10人くらい教師として雇えませんか?」 「そうですね。私が習った神父養成機関に聞いてみます」 「お願いします」 神父養成機関って有るんだな。 まあ、当たり前か。 ・・・・・ 1ヶ月が過ぎて、スラム街はかなり変化した。 大きな食品スーパーや学校、病院とかが続々と誕生。 服とかを売るショッピングモールも建設中だ。 全て俺の金で。まあ、サイフの貯金だけど。 そう言えば、俺が凄い金持ちだと思ったアホな連中が、俺を襲撃してきた。 アホだな、金を持ってるのサイフだぞ。 襲撃された瞬間に、俺はチー部屋の中に居た。 凄いな。チー部屋。 俺に何か危険が迫れば、自動で俺をチー部屋に瞬間転移してくれるのか。 まあ、俺が死んだらチー部屋も存在できなくなるのかも。 俺とチー部屋は共存共栄だな。 チー部屋の玄関ドアスコープから外を見ると、襲撃犯人達は倒れているように見えた。 外に出ると、襲撃犯人達は死んでいた。 虎神様が瞬殺したらしい。 みんなガクブルしている。 10人の襲撃犯人達を1秒くらいで瞬殺したそうだ。 ……そりゃあ凄いわ。虎神様。 サイフを誘拐して、俺を脅して金を取ろうとしたアホな奴等もいた。 サイフもチー部屋に瞬間転移。 誘拐犯人達は逃げたけど、虎神様に追跡されて瞬殺された。 アホだな。 しかし、サイフも瞬間転移されるのか。それは安心だ。サイフが死んだら俺は困る。金が無くなるし。 そんなスラム街とは言えなくなったスラム街を、苦々しく見てる貴族様の家臣達の事を、俺は知らなかった。 ・・・・・ 「デイビス様、スラム街が変です」 「あ? スラム街?」 「はい。大きな建物や新築の家とかが続々と建てられてます。 住民の健康状態も向上して、お肌はピチピチです」 「……ピチピチはいかんな」 「ピチピチは駄目ですね」 「ピチピチの原因を探れ」 「は」 ピチピチの原因を探る、貴族ストーン家の家臣たち。 勇気達が滞在する町は、貴族ストーン家の家長デイビス様が管理するデイビス町なのだ。 自分の名前を町名にする、恥ずかしい貴族様なのだ。 家臣達は苦労せずに魔法使いらしい会長と呼ばれる男と、サイフかワイフか分からない凄い美人の女、そして虎神様の存在を知った。 「デイビス様。どうやら、その魔法使いの会長が金を出してるようです」 「ピチピチ予算か」 「はい。ピチピチ予算です」 「スラム街を俺に黙ってピチピチにするとはけしからん」 「はい」 「財産没収だな。男は縛り首。女は俺の愛人。虎神様は……どうする?」 「は。虎神様は山に帰ってもらいましょう」 「どうやって?」 「え? デイビス様は以前から『俺は虎神様を倒した事が有る! 首に縄を着けて引き回すくらい朝飯前だ』と豪語されてましたけど」 「あ? ああ、そ、それくらい、こ、この、デ、デイビス様は、か、簡単な事だ」 ブルブル震えるデイビス様。 「あの、寒いですか?」 「い、いや、む、武者震いだ」 「流石はデイビス様です」 「し、しかしな……俺も少し歳を取った。万が一負けたら困る。国から兵を呼ぶ。町で魔法使いが謀反を企んだとな」 「なるほど。流石はデイビス様です」 「国に10億クローネを渡して、兵を1000人ほど呼べ」 「は」 虎神様の力を良く知らないデイビス様と家臣達。 兵が1000人なら、流石の虎神様でも山に帰せると思ったデイビス様。 誰も真の虎神様の力は知らない。
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