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「隼。あんたがどう思っても、私たちはあんたの親で、凪子さんの義母で、あんたたちの子供のじーちゃんばーちゃんなの。困っていることがあれば助けてあげたいと思うし、頼って欲しいとも思うの。初めての出産で双子だなんて、そのうち手伝いを頼まれるだろうと思って準備していたんだけど! 退院して一週間経っても何も言ってこないし! 電話してもあんたは大丈夫としか言わないし! しびれを切らして来てみたら、他人様を頼ってるってどういうことなの!」
最早、エレベーターホール中に響く千堂母の声。
完全に出て行くタイミングを失った俺たちは、じっと聞いているしかない。
そうしているうちに、エレベーターが上昇を始めた。
「隼。部屋に戻って凪子さんに、『母さんが押しかけて来た。申し訳ないけど、気が済むように世話をさせてやってくれ。後で母さんには勝手なことをしないようにきつく言っておくから』って言いなさい」
「は?」
「それから、私にやって欲しくないこととか、聞いて。洗濯物のこととか、食べ物の好き嫌いとか」
「いや、はっ?」
俺は、親とも呼べない自分の親と、親の鏡とも思える彩の親しか知らないが、千堂の母親もなんとデキた親なのか。
当の千堂は、言われていることを理解できていないようだが。
再び、千堂母のため息が響く。
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