2.父の日のプレゼント

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「んんん――っ!」 「こんなに元気な旦那がいるのに、おもちゃなんかで気持ち良くなろうとしたバツ」 「だからっ! そんなつもりじゃ――」  指でクリを擦られ、腰が跳ねる。 「――あっん」 「亮が歯磨き終わるまでにイかせられたら、俺の勝ちな」  ギシッギシッと、次第にスプリングの音が大きく早くなる。 「勝ちって――」 「――賞品は考えとくよ」 「そんなっ――」  激しく揺さぶられ、こね回され、勝敗は結果を見るまでもない。  私がイクと同時に智也もイッたのだから引き分けのような気もするが、とにかく真がお風呂が空いたことを知らせる数秒前にスプリング音は止まった。 「おもちゃより良かったろ?」  はぁはぁと浅い呼吸を繰り返しながら、智也が言った。  私はゴクッと唾を飲んだが、口の中は乾ききっていた。 「使ったことないからわかんない」 「それもそうか。でも、興味あったんだ?」 「あのページはたまたま開いただけで――」 「――シたくなったら言えよ。ホルモンバランスのせいでも、気持ちに余裕ができたからでも、イケメンの旦那が好き過ぎてでもいいから」  根に持ってる……。  最後の一言がその証拠だ。  けれど、智也の機嫌を直すきっかけだ。 「そうね、イケメンの旦那様に浮気されないように、精気を抜いておかなきゃね」  私からチュッとキスをする。 「お前が言うと、包丁が見えるのはなんでだろう……」  呟く智也を放置して、私は子供たちに会わないようにお風呂に駆け込んだ。
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