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「凪子さんから聞いたんだけど、千堂さんの育休はなしになったんだって?」
千堂のマンションで千堂母と鉢合わせてから四日。
育休中の千堂が朝から出社し、予定していた残りの育休をやめにすると言った。
母親が冨田と双子の面倒を見ているから、仕事に行くように言われたのだと言う。
「ああ。まとめて取らなきゃいけない決まりはないから、都合のいいように飛び飛びで休むらしい」
「千堂さんのお母さんが来てくれるなら、その方がいいだろうね」
「冨田の方は大丈夫なのか?」
「うん。お姑さんともそれなりにうまくやってるみたいよ」
俺は茶碗に残った一口分の白米を箸ですくい、口に入れた。
「ご馳走様。悪かったな、遅くに」
今日は久しぶりに帰りが遅かった。
新入社員の全体研修が終わり、各支社へ辞令が下りた。今後は、各支社にて適性を見極めるための研修が始まる。
そのローテーションを各部長で話し合っていた。
繁忙期の人事部を除いた部署で割り振り、営業部では来週からの一か月間、男女一名ずつを受け入れる。
その後も一人か二人ずつを受け入れていき、新入社員の配属が正式決定するのは九月一日。
そんな感じで、今日は日付が変わる前ではあったが、ギリギリでの帰宅になった。
「彩の会社は新人研修とか、どうしてるんだ?」
入社間もない彩が知っているかはわからなかったが、一応聞いてみた。
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