花言葉を贈ろう

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 さて、ついに小暮さん最後の日がやって来た。  贈り物を調達すべく密命と金を受け取った私は、後輩の愛ちゃんと共に駅近くの花言葉屋に来ていた。  駅近の賑やかな場所にある花言葉屋だけあり、かなりお洒落な店先が眩しい。ここは我々もオシャレにフラワーランゲージショップと言うべきかしら。 「やっぱり花言葉束ですよねぇ」  愛ちゃんは店先に並んだ色とりどりっぽい花言葉を眺めつつ、そんな事を言った。私もそれには激しく同意だ。人に記念の贈り物をするとき、花言葉束ならまず間違いない。それに退職ってのはあくまで会社側からの視点で、セカンドライフ的に見れば旅立ち、あるいは門出ともいえるか。元々の語源をはなむけの言葉に持つ花言葉としては、実に真っ当な出番だと思う。 「定番には定番の良さがあるってね」 「ですよねー。見てくださいよ、あの花言葉。純粋で燃えるような愛ですって。あー、私もあんな花言葉、彼氏から貰いたーい」 「愛ちゃん花言葉好きなの?」 「えー、花言葉嫌いな女子とかいます?」 「そうよねー」  昔、彼氏が花言葉束をくれた時、もっと実用性あるもんが良いなとか思ったことは秘密中の秘密となった。
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