花言葉を贈ろう

7/10
前へ
/10ページ
次へ
 会社に戻ると、入り口のところで後輩その二の弥生ちゃんが待っていた。 「もー、遅いですよぉ。今、手続きの真っ最中です」 「まあ、間に合ったから良いじゃない」  言ったのは私じゃない。愛ちゃんだ。この女、なかなかに図太い。 「愛ちゃん? 花言葉屋でがっつり時間食ったの愛ちゃんだからね?」 「おかげで良いのが出来たじゃないですか」 「まあ、そうだけど」 「もー、ケンカは後にしてください。とりあえず、女子更衣室に置いて来て下さいよぉ」  確かにその通りだわ。  後輩に教えられるなんて。 「成長したわね、弥生ちゃん」 「そういうのも良いですからぁ」  褒めたのに。 「愛ちゃんよろしく」 「了解です」 「手伝いますぅ」  愛ちゃんと弥生ちゃんは袋を持って小走りで社内に消えた。  その後を追ってゆっくり建物の中に入る私。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加