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初めての仁くんとの締め日
なぜか仁くんには痛客が多い
それは指名をとると内勤に「あの客には色恋でいけ」と命じられ
バカ正直に色恋をするから客が勘違いするのだ
さてさて締め日の前日になって仁くんからSOSがきた
「痛客Hと痛客Mが二人して『私の隣でナンバー聞いて。
できないならアフター優先して』ときかないんだけど
まりちゃんの隣でなきゃ聞きたくない!ラストぎりぎりでいいから
来て欲しい」だそうで
仁くんにお願いされたら行くしかないよね
聞けば、HもMもラストぎりぎりに来るとの事
もちろん私には企んでいることがある
一気に二人を叩き落とす作戦だ
それは
HとMが揃っている時に、仁くんにも内緒でシャンパンを入れること
しかもマイクコールで
「ワンタイ(ワンタイム、つまり1時間)しか居れないから
せめてシャンパンくらいは入れさせてね!来月も頑張ってね!」
と、当日の朝急いで作ったカンペを読んだ
Mは自分の席で終始不機嫌だったらしく
Hは従業員もつかず、先日のおしぼり号泣並みに落ち込んでいた
私はお金も使わないでアフターやプライベートを要求する客が
男女問わず嫌いなので、けっこうがっつりやったかなとご満悦
ところが
私の隣にいる仁くんが涙声でうつむいてる
私の手を握りながら「どうして言うこと聞いてくれないの?」と
目を潤ませながら、、、
どうやら仁くんには仁くんなりの考えがあったらしく
ラスト1時間客3人来て、私だけを優先させたら
他の二人が怒るんじゃないかと思ってのことだったらしい
それを私が勝手にシャンパン入れたから、泣いちゃったらしい
少し泣きながら仁くんは「来月の2日空けてて?」と私にお願いをした
ちなみに仁くんはナンバー3になった
自分が頑張ったことで担当がナンバーに入るって、とても嬉しいことだね
この日は営業終了後、ヘルプ指名を入れてる子と3人でラーメンを食べに行った
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